第二次性徴変性症 5
・道場にて


「……で、住む所は決まっておるのか?」
「はい……叔父夫婦の家に涼と巴と同居します。従兄が東京に住んでしまって……寂しいと」
日比谷は察しがついているのか頷く。
「二人とも高校生か……早いのぉ」
「まあ“お転婆過ぎて”前の高校から放り出されてましてね」
橘は少しばかり苦笑すると玲を見る。
「恐らくここに通う事になるけどよろしく頼むよ」
「はい」
「ォス!師範代!!!!玲が襲われたって本当なんですか!」
ガタイが良くビジネススーツを着こなしている男らが道場に入ってくるなり叫ぶ。玲は軽く頭を下げる。この道場に通う大人達で子供の時から続けている人もいる。
「もう耳に届いたのか……腕に軽い怪我で済んでおる」
「その犯人は現在は警察が捜査中……他にも悪い事していたから裁判所から逮捕状が出ているし……もう玲ちゃんの一件も直ぐに出たわよ」
高坂さんが冷茶を載せたお盆を持ち屈んで橘に冷茶を出す。
「こちらが玲を助けてくれた橘 総一郎さん……橘 隆一郎の孫ね」
「女将さんとの結婚を巡って三日三晩戦ったと言う……鬼の隆の……」
「何処でそんなふうに尾ひれがつくんだい?決闘して三時間で俊子さんが飛んで来て隆さんにプロポーズしたんだよ」
師範代の奥様が照れつつもぶっきらぼうに言う。因みに俊子さんとは総一郎の祖母で今でも健康その物だ。
「玲が爆乳美少女になったと聞いてはいたが……胴着姿も様になっているな」
男らの視線に玲は真っ赤になる……そして高坂に殺気が感じた事は橘も分かった。
「師範代っ!オスっ!」
学校の制服姿の女子生徒らが入ってくる。登校日か部活で学校帰りなのだろう……。
「玲くんよね……」
「うん」
三人とも玲を見て固まり数秒後に言う。
「「「ナニコノロリ系巨乳美少女!!!」」」
あっという間に同級生らに押し倒されて胸を揉まれる玲……高坂でさえも固まったのである。
「イケメンが来ているのに……」
隣接する師範代の自宅にて夕食の準備を大方終え様子を見に来た篝の言葉で彼女達は気がつき慌てる。
「今度越してきた橘 総一郎さん……ここで稽古するって」
慌てて正座する彼女達……確かにイケメンであるが玲は分かっていた、あの時の表情は武人で相手が格闘技をしてないと分かっていても叩きのめしていた。
「あのラインで来たショッピングモールでの事件って」
「玲が駈けつけてなかったら最悪な事態になっていたわよ……逮捕状がわんさか出ているそうでね……警察組が来てないのもその影響ね」
高坂さんが呆れて三人分の冷茶を出す。
「小学生まで手出すとは明らかにねぇ……あの」
「二人なら心配要りませんよ……寧ろ犯人らが取り締まり出来るか心配でしてね」
「?」
「二人とも大型バイクをママチャリの如くに操れますから……」
総一郎の言葉を真意を知ったのは数時間後である。



・登校日

翌日、リーヤと共に中学校に登校する玲……直ぐに職員室へ向かい新たな生徒手帳を貰う。
「リーヤから聞いてはいたわ……これはもう」
「先生、僕も好きでこのサイズになったのでは……」
担任教師もここまでの巨乳はお目にかかった事はなく玲も困り顔で言う。
「先日の事は警察から大体の事は聞いています」
「お騒がせして申し訳ございません」
「いいのよ、加害者が通っている高校側からも詫び入れて貰うから……最も退学処分になる可能性もあるわね……」
担任教師はため息を漏らして言う。昨日の不貞を働いた若い男らに現役高校生が含まれており未明に逮捕、その後玲にティザーガン(=スタンガン)を使った主犯格の男も立ち寄り先で刑事らによって逮捕され今現在は残りの容疑者を追っていると言う。


「……と言う事で楠瀬は今後は女子生徒としてこのクラスに所属する事になります」
HRにて担任教師の説明も男子生徒は教卓の横に立つ玲に釘付けになっていた……この前までランドセルを背負っていた身長、それに反する巨乳……ここで起たないのなら通常の思春期男子ではない。
「以上、解散……」
担任教師はそう告げると女子生徒らが詰め寄ってくる。美濃島らがラインで話していたのか既に僕が巨乳になっている事は分かっていたらしい。
「で……送って貰っていたあのイケメンは誰?」
「日比谷の爺さんの古い知り合いの孫、昨日引っ越してきたよ」
そう、玲とリーヤは橘が運転する乗用車に乗って登校した……万が一に備えた結果だ。
「カッコイイよね」
「あんな人なら私も裸になってしちゃうわぁ」
その言葉に玲はドキっとする……自分もそう思う事が多くなっている。
kyouske
2017年02月24日(金) 17時10分31秒 公開
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