B→maGic 6 (半分)
「今日は佑珠希ちゃんの服を買いに行くよー!」
 次の日の朝、妄想したおかげかぐっすり眠れて、ちょっぴり機嫌のよかった俺に、春原がこう言った。せっかくよかった機嫌が元に戻っていく。
「別に買わなくていいよ。服なら家にたくさんあるし」
「それじゃあ、佑珠希ちゃんの着せ替えが出来ない!」
「直球だな……」
他の3人もこれに付き合わされるとは大変だな……
「私も着せ替えしたい!」
「私もです」
「……その気持ち、分からなくもない」
前言撤回。3人とも問題児だな。
「佑珠希ちゃんはどう思ってるか分からないけど、佑珠希ちゃんを見たら誰だってそう思うよ。憎みたくなるほどすごくかわいいし。」
「……」
いや、すべての人間が着せ替えしたいとか思わないから。ただ、そういえばまだ自分の姿をよく見ていない。そんなにかわいいものなのだろうか?
「あれ? もしかして、自分が女の子になってどうなったか、まだあんまりよく見てない?」
「なんで分かったの!?」
春原は千里眼でも持っているのか? いや、千里眼って遠くが見えるだけだよなぁ。
「いや、無反応だったから。じゃあ今から鏡持ってくるよ」
春原はそう言った後、となりの自分の部屋からこのリビングに鏡を持ってきた。
「ほら、見てみて。ちなみに、かわいいって言ったら買い物決定ね」
と言って俺に鏡を見せる。俺は覚悟を決めて、見てみた。


……! かわいすぎるだろ、俺。
顔は、男の時の2分の1くらいしかないんじゃないかと思うほど小さくて、目が大きく全体的に整っている。肌は白く、足は長い。そして小柄であったが、まあまあスタイルが良かった。


「……かわいい」
「あっ、かわいいって言った!」
「いや、今のは無意識でその……」
「つまり、本音だね。よし買い物Let's go!」
「佑珠希ちゃんとの買い物楽しみ♪」
「……」
俺は何も言えなかった。
……………………
このメンバーと買い物に行く
→そして着せ替えされる(言ってたからね)
 →つまりメイド服を着せられる(なぜにメイド)
  →ということは春原のメイドになってしまう!(……)
……………………
(どうすりゃいいんだよ……)
俺は行く前から不安で仕方なかった。


--------------------

 そうこうしているうちに近くのショッピングモールに着いた。
「もうお昼だからさ〜。先にご飯食べよう」
夏川さんが言う。ちょうどそのとき12時の鐘がなった。俺も含め全員がその意見に賛成したので、ショッピングモール内にあるファミレス店に入った。

 3分くらい待って席に着いた。一応待ち時間の間にメニューを見ていたのだが、全員決まらず席へ着いてからも少し悩んでいた。俺はハンバーグに引かれ、デミグラスソースにするか和風ソースにするか迷っていたところ、春原がこっちを見ていた。
「何グラム食べるの?」
急に小声で話しかけてきた。
「えっ? 250……」
「ちょっと多くない? 今は女の子なんだから小さいのにしたほうがいいよ」
「じゃあ、150gにしようかな」
うーん、250gくらい食べれそうなんだけどな。そう思っていると、誰かが呼び出しのチャイムを押していたのか店員さんがやって来た。
結局、俺は春原の忠告に従うことにした。

 注文してから数分後料理が来た。さっそくハンバーグをいつものサイズに切って口に運ぶ。すると意外と口が開かなくて少しずつしか口に入らない。その影響か食べるのに時間がかかり満腹感を満たすので、大きさはちょうど良かった。
 いやー、春原の意見に賛成しておいてよかった。春原には感謝しないとな。でも直接は言いづらいなと思っていたら、春原がまた声をかけてきた。
「ほら、ちょうど良かったでしょ。感謝の言葉はいいから、着せ替えさせてね」
どうやって心を読んでいるんだ? あと俺の感謝の気持ちを返せ!

 こうして俺の着せ替えが始まろうとしていた。
At14
2016年01月16日(土) 21時03分23秒 公開
■この作品の著作権はAt14さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
現在約半分終了
あと半分はもう少しお待ちを。
(といってもこの待つ時間がだいたい2ヶ月になるんだよね……)

この作品の感想をお寄せください。
感想記事の投稿は現在ありません。
お名前(必須) E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)  削除用パス 


<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD 編集 削除