性変症
私達の住んでいる町では性変症ってのが流行っているらしく、
私達の通う小学校でも5、6年生を対象にした予防接種が行われた。
性変症は簡単に説明すれば男が女、女が男になってしまうもので、
小学校高学年から中高生の発症率が高いらしい。
予防接種を受けたから大丈夫と思っていたけど、
帰ってしばらくすると急に熱が出て、頭も痛くなってきたのでそのまま寝てしまった。

「こ、これって・・・」
翌朝、目を覚ますと股間に見慣れないのがぶら下がっており、
勢い良く掴んだりして引っ張ったりしても取れるどころか、痛みを感じて、
「そ、そんな。」

母に事情を説明すると、病院に連れて行ってくれたのだが、
私以外にも予防接種を受ける前に感染していたのがいて、
皆、それぞれ、入院しかけたりとか、転校すべきか悩んだりしたらしい。

それから数年後、僕はかつて通っていた中高一貫の学校に教師として赴任し、
自己紹介の際に性変症の話をしたら、皆、半信半疑だったが、
後でまじめに聞いていれば良かったって後悔しても知らないぞ。

「あの、先生・・・」
ある女子生徒が相談をしに来たが、
近頃、生理が訪れず、体つきが筋張ってきているらしく、

すると他の女子生徒達もやって来て、
「急に胸が小さくなってきて。」
「見て下さい。腕とかがこんなに太くなっちゃって。」
「(皆、性変症に感染しているな。)」

僕は女子生徒達を病院に連れて行き、
診察の結果、性変症に感染している事が判明し、その事を校長に話すと、
「君も感染していたのなら、彼女、いや、彼らの良い手本になれるだろう。」

僕は性変症に感染した生徒のために設けられた寮での管理を任される事になったが、
「赴任してばかりでそんな大任は・・・」
「大丈夫、我が校で性変症に感染した事がある教師は君だけじゃない。」
扉を開く音がして振り返ると、
「あ、あなたは・・・」

「(皆、さっきから僕を見ているけど・・・)」
生従達は僕と風呂場の鏡に映っている自分の姿を見比べたり、
腕を曲げたりして筋肉の発達の度合いを確かめてたりしていたが、
男になりたての彼らの体つきは皆それぞれ違っていて、
筋肉が発達したりして筋張ってきたのもいれば、まだ丸みが残っているのもいる。

「先生って彼女とかっていますか?」
隣に座っている生徒の質問に一瞬、戸惑うも、
彼には男になる前から仲の良い女子がいて、
近頃、彼女を異性として意識し始めているようなのだが、
「告白したいと思うけど・・・」
「(たぶん意識はしていないと思うけど、心も男になってきているみたいだな。)」

男になったばかりの頃の僕は元に戻りたいとばかり思っていたけど、
中学生になって同じ陸上部の先輩を好きになって、
告白する前に先輩は転校してしまったけど、先輩を好きになったのを前後して、
部活で鍛えたからってのもあると思うが、周りから男っぽくなってきたって言われたっけ。

風呂から上がると、
「胸板にしろ、三角筋にしろ、お前もだいぶ逞しくなったな。」
「せ、先輩、頬を擦り寄せたりしないで下さいよ・・・」
「まあ、男としてはお前の方が先輩だけどな。」

先輩も性変症で男になった上に同じ学校で教師として再会するとは予想外だけど、
「(先輩が女のままでも僕は可愛い後輩止まりだったのかもしれないな。)」
まだ女だった先輩に恋していた僕は先輩と並んでも見劣りしない男になろうと決意したけど、
鏡に映る自分と先輩の姿を見て、少し照れくさくなってきたのだった。
なーくん
2015年10月26日(月) 22時06分30秒 公開
■この作品の著作権はなーくんさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ


この作品の感想をお寄せください。
感想記事の投稿は現在ありません。
お名前(必須) E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)  削除用パス 


<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD 編集 削除