不思議な腕輪
中学生の中田範明は小柄で華奢な体格ゆえに、
小学生くらいに間違えられる事がしばしばあった。
そんな彼がある日、庭で変わったものを見つけ、
「何だろう?何かの部品かな。」

見た目は金属のようでどこか柔らかみのある質感、
余計な装飾が殆ど無いすっきりとした見た目に範明は興味をそそられ、
「何となく腕輪っぽいけど・・・」

すると、どこからか声がし、
「願いを込めながら腕輪を擦ってみて。」
「い、今のは・・・」
辺りを見渡しても範明以外に誰もいなかったが、
「何かのおまじないかな。」

試しに腕を嵌めてみると、
「子供っぽく見られる自分を変えたい、それから彼にまた会いたい。」
願いを込めながら腕輪を摩ったところ、何かが範明の中に流れ込んでいき、
「痺れたような感じがしたけど、まあ良いや。」

数日が経ったある日、再び痺れのような違和感を抱くのだが、
またすぐに治まると思って大して気に留めず、お風呂に入ろうとすると、
「う、嘘だよね・・・」

ふと鏡に映った範明の顔は以前より少し丸みを帯びていて、
乳首の辺りが腫れて、恐る恐る下着に手を入れてみるとあるべき感触が見当たらず、
「女になりたいなんて願ってないのに。」

少しずつだが数日かけて範明の体は変化していき、
「お前さ、背が高くなってないか?」
「そ、そうかな・・・」
「ちょっと立ってみろよ。」

節明が立ち上がると、以前は皆より頭一つ分程あった身長差が、
頭の先が皆の肩の辺りに到達する程にまでなっており、
「やっぱり、背が高くなっているじゃないか。」

背丈が皆を追い越す程になってくると、
「それにしてもお前、少し女っぽくなっているみたいだけど。」
確かに胸が膨らんだり、意識していないと女座りになってしまったり、
尻の辺りがきつく感じたりしているのだが、
「べ、別に何でもないよ。」

このまま秘密にする訳にもいかないと思っていると、
「あれ?どっかで見たような顔だけど・・・」
範明は小さい頃、青井真という子と遊んだ事があるのだが、
今、範明の目の前にいる真は女であり、
「(てっきり男の子だと思って・・・)」

戸惑う範明に、
「小さい頃は髪が短かったし、男と間違えてもしょうがないよ・・・」
どういう訳か目を逸らしている真のスカートの辺りが少し盛り上がっており、
「こ、これって・・・」
真も数日前から肩が張り出してきており、
「僕が女になり始めたのとだいたい同じ頃だよ。つまり・・・」
自分のせいで真まで巻き込んでしまったと悔やむ範明に、
「別にこうなるなんて予想できた訳じゃないし、節明だって困っている訳だからね。」

しばらくして範明は範美と改名するが、
真と再会して1、2か月が経つ頃には範美の変化はより顕著になり、
髪の毛が肩に触れる程の長さになって、胸の膨らみが増して尻がより丸みを帯びてきて、
腰が蜂のように括れていき、
「胸が柔らかい・・・そんな事している場合じゃない。」

実は真と海へ行く事になっており、急いで待ち合わせ場所の公園へ向かうと、
「遅れてごめん。」
「大丈夫、来たばかりだから。」

水着に着替えて海へと入ろうとすると、妙に周りの視線が気になって、
「皆に見られているみたいだけど。」
「範美が可愛いからだよ。」
「えっ・・・?」
「ほら、胸だってこんなに大きくなっているし。」
「ちょ、ちょっと止めて・・・」
範美が肘で押し退けると、真は海へと落ちてしまい、
「か、軽い冗談のつもりだったのに。」

真が海から上がると、
「冗談でもしちゃいけない事・・・」
「どうしたの?」
「前より逞しくなったみたいだけど。」
真は長身ですらりとしているが、胸に厚みがあって、腕とかも引き締まっており、
「懐かしい感じがするな。」

小さい頃、いじめられていたばかりの自分を庇ってくれた真が恰好良く思えた事を思い出し、
「好きだよ真。」
そっと自分の唇を真の頬に寄せると、真は戸惑ってしまうが、
範美はそんな真をただじっと見つめるのだった。
なーくん
2015年09月16日(水) 21時12分20秒 公開
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