B→maGic 2
 俺の脳内には?マークがたくさん浮かんだ。ショーとはいったい何なのか。そして、なぜその子は俺を呼んだのか。そんなことを考えていると、
「それじゃあみんな見ててね」
先ほど「ショーを始める」と言った、俺の目の前にいる女子がそう言い、手のひらをこちらに向け、なにやら訳の分からない呪文のようなものをつぶやき始めた。

 俺はなにかしらの身の危険を感じ、すぐこの場から離れようとするが、なぜか動けなかった。そうこうしているうちにもその呪文のようなつぶやきが続く。そして、最後に「破!」というと、こちらに向けていた手のひらから、ピンク色の玉が風船のように膨らみながら出てきて、自分のほうに向かって飛んでくる。俺はさらに体に力を込めたが、それでも動けない。結局、俺はその玉に当たった。

「あっつ!」
 当たった瞬間、俺は180℃の油で揚げられていくかのように全身が一気に熱くなっていった。そして、俺は熱すぎて意識を手放した……。


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 俺が意識を手放している間、俺の体は大きな変化をとげていた。まず、体全体が小さくなっていった。その後、肌がきめ細かく真っ白になっていく。それと同時に、筋肉が落ちていき、やわらかい脂肪に変わっていく。そして、胸が膨らんでいき、ウエストにくびれができると同時に、お尻も膨らんでいく。顔の形も変わり、髪の毛やまつ毛が伸び、丸顔で目は少し大きくなり、唇も魅力的になった。そして股間にあったものが変化し完璧な女性へと変化していった。


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「……ん?」
 俺は意識を取り戻した後、体を確認すると、自分が女の子らしい体つきになっていたことに気がついた。

「どうなってんだ?」
 すると、目の前にいる女子が言った。
「どう、私の魔法? 気に入ってくれた?」
「気に入るはずがないだろ! 俺を早くもとに戻せ!」
 俺は即答した。かわいらしい声で。
「そんなかわいらしい子が男言葉を使っても、全く似合ってないわ」
「そう思うのなら、あたしを早く元に戻しなさい! ……って、ええっ!」

俺は目玉が飛び出るほど驚いた。先ほど俺は自分のことを『俺』と言ったつもりだった。それなのに、口から出たのは『あたし』という一人称。そういえば命令口調も少し変わっていた。
「ふふっ。驚いた? 下里さん」
「何であたしの名前を……」
「まだ気づかないの? 私は春原春奈よ。小学校以来だね」
「えっ」

 俺はそのとき、過去の記憶を鮮明に思い出した。
 俺が小学校5年生のとき、俺はクラスメートの女子を集団でいじめていた。その女子が春原春奈であった。そのとき俺の心の中には、自分がいじめられるのは嫌だからという弱い気持ちがあった。その後、6年生になったときにはいじめはなくなっていたが、話しかけにくかった上、春原は中学生になる直前に引越しをしたため、一言謝ることさえできなかった。

 今、そう思い返すと、自分がとてつもなく小さい人間だと感じる。自分の弱い気持ちでか弱い女子をいじめた上に、一言謝ることさえしなかったのだから。
「ほんと、ごめん」
「小学校のときの話? それならもういいよ。ただし! 罰は受けてね」
「もしかして、罰ってこのまま女子として1週間過ごすということじゃ……」
「おっ! じゃあそれで」
「決めてなかったの!?」
 俺はそのとき、小学校のときの話はもういいって言ったのに、何で罰を受けなきゃいけないんだと反論したかったが、いじめていたのは自分であったため言えなかった。

 その後、4人の女子は自己紹介してくれた。俺の近くにいる、昼休みに私に話しかけてきた女子が夏川夏菜。春原の左側にいて、人に優しそうだと思う女子が秋山明菜。個人的に一番かわいいと思う。そして、春原の右側にいて、雰囲気が少々暗い女子が冬野玲奈。
 ちなみに、俺が女子であるときの名前は佑珠希(ユズキ)になった。冬野さんいわく、その名前にすると、一度試練が訪れるが、その後とても仲良くなれると占いで出たとのこと。

「それにしても、あたし急に女子になったけど、他の人はあたしを男子だと思っているんじゃないの?」
 俺は、急に女子になったのだから変な目で見られるのではないかと思った。しかし、それは杞憂だったようで、
「大丈夫よ。佑珠希ちゃんが女の子になったシーンを見ていない人は、佑珠希ちゃんはもともと女の子という記憶に塗り替えられているからね。それに、1-Aの教室には、玲奈ちゃんが人を寄せ付けない結界を張ってくれてるし」
 この言葉に安心した俺は、この後重大な事件が起こるとは予想もしなかった。
At14
2015年08月03日(月) 23時40分27秒 公開
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■作者からのメッセージ
ついに2話投稿!
『小説家になろう』と重複投稿しています。
しかし! TSシーンは文庫さん限定です!

(このペースで書いていると、3話書くのに2週間かかりそうです……)

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