性別変更 3
・覚醒する本音


海は御堂川 明も工藤 アキラとは直接の認識は無いが当時の競泳の業界関係者では知らぬ者はいない。ただ二人とも私生活では決して幸せではない……明に関して言えば疑惑発覚後には家庭崩壊に至り、両親は離婚。アキラに関してはもっと酷く同じくドーピング疑惑により何時の間にか失踪していたのである。
「危険ドラックに関してはシロ……これは警察の尿検査や競技団体が臨時で検尿した結果だ」
「アキラに関しては?」
「その頃は失踪していたとは思ってなくってね……」
コーチはそう告げると海は思う。用心に越した事は無いが明と会う必要がある。





唯は明に今の自分を見られハッとするが脱ごうとはしなかった。
「やっぱり精神面では溜まっていたわね……どう?」
大きな壁鏡を見て唯は自分が今は美少女になっている事に驚き、そのドキドキがたまらなく快楽に思える。
「エクステしてみる?」
唯は頷くと明はニコっとしてセットしていく。
「念の為にコレ」
伊達眼鏡を渡されるとロングヘヤのメガネっ娘がそこにいた。
「走ろうか……ここら辺なら知り合いも居ないわよ」
唯は頷く……その模様は天井や複数個所に仕掛けられたカメラにより全て録画され別室に居る好々爺を喜ばしている。
「中々の順応性だ……」
「翁殿、彼は大事なモルモットですからね……くれぐれもご無理をなされない様にお願いをします」
黒服の男は釘を刺したのだ。
「分かっておるわっ……こんな上玉に限って非の打ちどころが無いとは」
翁と称する老人はブスっとする。
「だが、万が一……彼が経済的に生活出来ない場合は動くからな」
翁はそれを望んでいるのか幾度も唯の姿を見ている。




ラボ周辺をランニングする二人……確かにこの辺りは人っこ一人も居ない。
「明さん凄いです……」
唯は少し息が上がっているが明は平然と走っている。
「私ね幼稚園児の頃から水泳をしていたの、もっと泳ぎたい速くなりたい、そして何時の間にかランニングするようになっていたの。その頃が一番幸せだったなぁ」
少しペースを落とした明の横顔を見ると何処か悲しげな表情を見せた。
「中学になった頃から普通の子とは違う……そう気が付いて私は当時所属したスイミングスクールのコーチやら眼の色変えた、そして彼の手で高校では強豪校に推薦と言う名でねじ込まれた訳……普通は大会とかで実績残せないと無理な所だったわ」
「へぇ……」
「私よりは上手いと言う前評判は良い人ばかりだったけど……実際は私の方が技量が上だった。しかも宣伝には程良い美人だったからね」
彼女はただ競泳を極めようとした……が、それにより欲望が群がると言う事を知らなかった。否、薄々気が付いていたが見て見ぬふりをしたのだろう……結果、日本のスポーツ界を揺るがす大事件の関係者になってしまったのである。
「後は知っているよね……今でも裁判は続いているから」
「ええ」
それだけ事件が大きく複雑って言う事だ。


数時間後、唯はトイレに行きたくなるが今の格好で男性トイレに入るのはヤバい。仕方無しに多目的用途トイレに入ろうとすると明は唯之手に取り、そのまま女性トイレに誘導される。
「!!!」
「大丈夫、三沢財閥の息がかかった警備会社だからね……トイレまでIDカードは必要ないわ……」
実際、この施設は人が出入りは限られるが企業秘密が多いのでIDカードは必要だがフロア毎に管理している。唯は異性に排尿の姿を見られたが何処か違和感を感じなかった……。



「この分だと秋ぐらいに施術出来るな」
「うむ……問題は彼の兄だ」
「翁殿、くれぐれも無茶はしないで貰いたい」
「わかっておるわ、わしもあの時はやり過ぎて冷や汗が出たんじゃ」
モニターに映し出しているのは先程の唯の排尿シーンだ……そして別のモニターには分析結果が出ている。
「イザッと慣れは彼も仲間に引き込むまでだ……」
翁は唯が所属するスイミングスクールのデータを見ていた。


kyosuke
2015年06月26日(金) 01時21分21秒 公開
■この作品の著作権はkyosukeさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ


この作品の感想をお寄せください。
感想記事の投稿は現在ありません。
お名前(必須) E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)  削除用パス 


<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD 編集 削除