姉妹から兄弟へ

私は亡くなった父のようになりたいと思っていた。
どんな困難にも負けず、それでいて誰とでも分け隔てる事の無かった父、
出来る事なら父と同じ男になりたい。
そんな私の密かな願いが実現する機会が訪れた。

母はとある研究所の研究員をしており、
研究所ではある手術法の研究が行われていた。
それは男を女、女を男に性転換させるというもので、
これまでの方法と違い、薬やメスなども必要ないのだ。

それを知った私は母に以前から男になりたかったと打ち明けてみるのだが、
未成年の施術はまだ危険として反対されてしまうのだが、
母としてはいくら画期的とはいえ、
安全性が確立していない段階で手術を受けるのは危ないと判断したのだろう。

しかし、母が一応私の要望を研究所の所長に話してみると、
「今までの検証を踏まえれば、安全性は十分証明されているから、心配無い。」

こうして母の勤める研究所で私の手術が行われる事になったが、
「お姉ちゃん、どこか悪いの?」
手術と聞いて3歳年下の妹が心配すると、
「大丈夫、手術といってもすぐに済むし、別に後悔してないから。」

手術そのものは痛みも殆ど無く、あっという間に終わってしまい、
「これからあなたの体はゆっくりと女から男へと変わっていくからね。」

無事に手術が済んだ私は自分の部屋に戻ると、服を脱いでいくが、
平均よりも明らかに大き過ぎる胸の膨らみやお尻、
それとは対照的に細過ぎな腰周りなど、体のあちこちを見ながら、
もし、完全に男になったら、こんな女を好きになるのかと考えてしまうが、
「ごめん、最後まで好きになれなかった女の私。」

妹を心配させたくない事もあって、妹と一緒に風呂に入るのを避けるようになったのだが、
「順調に変わっているみたいだ。」
手術を受けてから2、3日して私の胸は徐々に小さくなり始め、
それと並行して腰周りの幅が広がり、反対にお尻周りが狭まってきて、
1ヶ月もすると胸がほぼ真っ平になって、肩幅が少し広がり始め、
背が高くなって、女性器も男性器へと変化していき、
「初めまして、男の・・・私じゃなくて僕が良いかな。」

ふと誰かいると思って振り返ると、妹がいるのに気付き、
「ね、姉・・・」
妹は鏡の前で下着しか身に着けていない僕を見て、戸惑っているようだったが、

「あ、あのさ、僕も男に・・・」
前々から男っぽい服装を好むなと思っていたけど、
僕は良くて、妹はいけないっていう理由は無いので、
「分かった。母さんに話をしてみるよ。」

母さんに妹も男になりたいって話すと、
「一応所長には話をしておくけど、まだ小学生だから・・・」
色々と準備が必要だったりするという理由で、
妹が手術を受けたのは、僕が高校、妹が中学に進学しようとしている頃で、
これといった問題も無く、手術は終わったけど、
すぐに男になれると思っていた妹は少し残念そうな顔をしていた。

妹、いや、弟の女性器がすっかり男性器へと変わっていくと、
前のように一緒にお風呂に入るようになるが、
「僕も兄さんみたいになれる?」
「勿論、しっかり鍛えればね。」

僕が腕を曲げてみせると、
「凄いな。兄さんの腕が瘤みたいになっている。」

3年後、
「兄さんとこうしてお風呂に入るのも最後か。」
僕は高校を卒業したら留学をするので、弟はしばらく家には戻って来ないのを残念がるが、
「僕がいなくてもお前は大丈夫さ。」

近頃、一緒にお風呂に入る事が少なくなったが、
しばらく見ないうちに胸の厚みが増し、腹筋が割れ、腕や脚が引き締まって、
もう少しで僕を追い越す程に背が高くなってきた弟に、

「ちょっと腕を曲げてみろよ。」
「わ、分かった。」
弟が腕を曲げると筋肉が勢いよく盛り上がっているのを見て、
兄として弟の成長を誇らしく感じるのであった。
なーくん
2015年04月07日(火) 21時02分47秒 公開
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